
その部屋は引っ越したばかりのようだった。
四階、四部屋。
部屋に入ると布団の中に男がいた。
「警察呼びますよ」と言うと
男はニヤニヤして「いいよ」と答えた。
起き上がってそばにきたので警察に電話をした。
何故なのか作業手袋をはめた。
黒地に赤の模様があった。
男は窓に行き外へ出た。
片腕を窓の縁にかけ、ニヤリと笑い、落ちていった。
聞いたことのないグヂ…という重みのある音が響き渡る。
後味の悪い夢を見てしまった。
と考えていたら、ふとよぎった、あの男。
小さいころ、私の夢に三日間出てきたあの男だと思った。
これで結末を迎えたわけだけれど、次は私なのか。
私が五日目になる。
それは記すことができないので、この物語はこれで終わりなのだろう。