2014/12/13

ギミック


哀れな僕にも
沈みゆく陽は
キミョウを奏でる

2014/11/07

虚無縹渺


囀リは消えゆく


私には何もないのに

そこには何もないのに


ただ、

ただ…囀っている

2014/10/26

て(き)りとりぃ


これはどこで

いつ撮ったの


という写真が

時々あるのは

なぜなのか?

2014/06/17

孤独の底の司令官


前兆のぎざぎざが視界を削って
いつか全身まで・・・

2014/06/11

呪たん



🎂

ま だ い き て る


2014/04/27

嘔吐吐書



冷凍庫に凍らせてあった葡萄が

吐き気がおさまったあとに

束の間の幸せをもたらした



この小さな喜びが訪れるたびに

僕はリセットされて

中身のない人間になっていく


食べ残した皮みたいにさ


2014/04/10

宇宙的熊猫


宇宙百貨のマットというかシートというか
(なんていうのだろう)

いつごろ購入したのか
忘れたくらいには
年月が経っている

裏は劣化が激しく割れてるから
いつまで持つかな


僕の内側と一緒ですね
(表が劣化しているのは初めからだ)

ともに生きよう最後まで

2014/03/31

小田さんの花


小説『幾許』に登場する、小田さん



外の鳥かごには、鳥が何匹もいた



名前は全部「ぴーちゃん」



水をあげるとき
結構な頻度で
ぴーちゃんは脱出するのだった



「ぴーちゃん!」
青々とした空に力強く叫んだあと


「薄情だなあ」
と囀る小田さん



とうとうぴーちゃんは一匹も
いなくなってしまった



いつか鳥のいない鳥かごを撮りたい
私がいない世界を
私には撮れない、


花以外の写真は小田さんが撮った写真



命日に記念として残しておこう

2014/03/14

identity


嘔吐しすぎたときの味に似てるから
どうしても食べられない



苦味

2014/02/26

false strawberry


 価値の無い偽者が

フェンスの内側で

意味の無い言葉を

撒き散らしている

2014/01/10

なるなる此処なる


此処なる